彼がうつ病かも…?恋人だからこそ支えたいと思う人への助言

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20代、30代、40代の恋愛では、ほとんどの人が「当たり前」と答える質問かもしれません。

特別な事情でもない限り、健康はいつでも身近にあって当然だと思われているものです。

でも、もしそこに”心身ともに”とつけたらどうでしょう?

肉体はまだまだ若く、強靭でも、精神面でも元気100%と答えられるでしょうか?

急増するうつ病の懸念

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”ストレス”という言葉が日常的に使われるようになった1970年代頃から、”うつ病”という言葉を耳にすることが珍しくもなくなった今日に至るまで、男女問わず、自分の家族や友人や恋人の精神状態を気にかける人の急増は留まるところを知りません。

実際に私が籍を置いているカウンセリングルームにも、最近家族の様子がおかしい、友だちにうつ病のケがある、と相談にいらっしゃる方が少なからずいます。どうにかして救ってあげられないものか、と懇願されることもありました。

もし、これをお読みの皆様の中に、ご自分の恋人がうつ病なのではないかと心配されている方がいらっしゃるなら、うつ病のことを詳しく調べる前に、私がこれから書くことを、ぜひ読んでみてください。

心のもやもやを解消します!とか、問題を解決してさしあげます!とか、そんなたいそれたことは言えませんが、少なくとも、お一人でいろいろとインターネットなどでうつ病のことを調べて回るのはオススメできないので。

その理由も併せて、今回は少しうつ病と、その支え方についてお話ししたいと思います。

最近話題の鬱病ってどんな病気なの?気分の問題ではないの?

うつ病とは一般的に、生きる気力に欠けて落ち込みがちだったり、ストレスを多く溜め込んで暗く沈んでしまう状態を指す人が多いようが、実は少し違います。

たとえ落ち込みがちだったり、ストレスのせいで四六時中疲れた顔をしているとしても、普通に眠れて、普通に食べることができて、渋々でも会社には行けるし、週末の趣味の時間でちょっとでも発散できる方は、該当しない可能性が高いのです。

というのも、うつ病に限らず、精神疾患や精神障害は身体の病気と違って、日常生活を営むのにどれほどの支障をきたしているかが判断基準なのです。

ですから、もし彼が最近ため息ばかりついていて、「会社行きたくないな…」など弱音をこぼす頻度が増えているからといって、その時点で慌てる必要はありません。まずは第三者の目で、以下の点を観察してみてください。

うつ病のサイン

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・不眠症状が出ていますか?
・食欲がなかったり、食べることへの興味が失せていますか?
・ぱっと見てわかるほど痩せてきていますか?
・息苦しさや、体のどこかの慢性的な痛みを訴えていますか?
・以前と比べて注意力散漫ですか?
・なにをしていてもつまらなさそうですか?
・デートや電話などが億劫そうですか?

眠ることと食べることは、生きていく上で必須。好むと好まざるとに関わらず、ほとんどの人が自然のサイクルで行っていることです。

しかしうつ病になると、その”自然のサイクル”がうまく働かなくなってきます。体がクタクタになるまで眠れない、食欲が湧かないのでなかなか食が進まないという状態に陥っているとしたら、黄色信号が点滅していると思ってください。

また、体のどこか、特に首や頭、そして胸部などに慢性的な痛みがあり、体の自由が利きづらくなることもありえます。ただし、その場合にまず疑うべきは身体のトラブルですので、まずは内科の受診を促しましょう。

そして、

  • 活力
  • 危機回避能力
  • 関心

以上の3Kが揃っていることも、人間の安全で健全な生活には欠かせません。このうちどれかが著しく欠けてしまっていると、いずれは事故を引き起こしたり、健全な人間関係を築きづらくなります。

専門医の助けを借りる

今ご紹介したうつ病チェック項目に○が複数ついたときにようやく、「うつ病かも?」という懸念ステージに突入です。

ここで注意しなければならないのが、素人判断。たとえ全項目に○がついたからといって、本人や周囲の人間が「うつ病だ」と決定づけるのはNGです。

「うつ病かも?」と「うつ病だ」には大きな大きな違いがあり、そしてその見極めをつけて診断を下すのは専門医の仕事です。たとえ心理カウンセラーであっても、病名を断定するのはご法度中のご法度で、まともなカウンセラーならば絶対にやりません。

現代の日本において、心療内科の敷居はまだまだ高いですよね。でも、症状をきちんと説明し、適切な対応や投薬を選んでもらわないと、良くなるものも良くならないどころか、悪化の一途を辿るケースも珍しくありませんから。

「あなたはうつ病かもしれないから病院に行こう」と具体的な言葉で誘うのではなく、「疲れが溜まっているみたいだから、一回一緒に心療内科に行って、アドバイスを受けてみたらどうかな?」と気さくな感じでアプローチをしましょう。

うつ病と診断されたら…

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ここからが踏ん張りどころです。なぜなら人間はうつ病に限らず、受け入れがたいものを受け入れるまでに時間がかかるのが常だからです。

自分は今うつ病を患っている、という現実を飲み下すまでに、嘆き悲しんだり、原因究明に躍起になったり、また、将来を憂えて自己評価を低くしたり、卑屈になることも充分にありえます。あなたとの別れを口にすることもあるかもしれません。

でもそこでうろたえてしまわないことが何よりも大事。うつ病は治る病気です。一般的に治癒までに時間がかかると言われていますが、人によっては数ヵ月や数週間で脱することもあるので、絶望する必要は一切ありません。

うつ病と診断された人と一緒になって悲観的なことばかり考えてしまうと、あなたも巻き込まれます。あなたもうつ病になりますよ、ということではありませんが、ネガティブな感情をお互いに助長し合う関係に陥るのは、ぜひとも避けたいところ。

無責任と思われることを承知で、敢えて書きます。大丈夫です。この世に変化しない環境などありません。遅々として進まないように思える時計の針も、ちゃんと毎日時を刻んでいます。

うつ病は時間を経れば経るほど肉体を蝕んでいく類の病気ではないのですから、彼が身を置く環境もいつかは必ず変わり、その変化に伴って彼の状態も必ず変わっていくのだと、あなたがまず信じてあげることが、うつ病と向き合う第一歩です。

支える人の心得

「治らない病気ではない」ということをしっかりと刻んだら、次のステップです。大事なポイントがいくつかあります。

1.うつ病について詳しくなろうとしない
2.彼の前でうつ病の話題を出さない
3.彼がうつ病の話を始めたら極力話題を変える

私は、うつ病とは地縛霊のようなものだと思っています。おどろおどろしいという意味ではなく、ある一定の場所から身動きがとれなくなっている状態だからです。

そのある一定の場所とは、”過去”。つまりは自分の人生の後方です。時は前にしか進んでいかないのに、その流れに逆らって後ろばかりに気を取られているようなイメージを思い浮かべてみてください。うまく歩けっこないですよね。

うつ病の人と向き合うには、いかにその人の意識をうつ病から逸らせるかが最重要なのです。

うつ病とはなんなのか、うつ病にかかるとどうなるのか、なぜうつ病になったのか、なんてことを詳しく調べ上げたり、うつ病のコミュニティに参加したりすればするほど、”うつ病”という言葉がより一層、彼の中に根付いていきます。

なので、適切な薬が処方されている場合は服用し続ける必要がありますが、それ以外のシーンではうつ病の話題を出さないのがベスト。後方にばかり向いていしまう意識をできるだけ前方、つまり”未来”に向かせられるよう、会話のトピックを選びましょう。

「元気になったらなにがしてみたい?」
「来年の春の旅行はどこへ行こうか?」
「今度の日曜日にやる特集は一緒に観たいね」
など、明日以降の話を増やすといいと思います。

もしかしたら彼は無愛想な対応をするかもしれませんが、それは病気がさせていることです。あなたへの愛情の大きさとは無関係だということを、何度でも自分に言い聞かせてあげてください。

彼を大事にする気持ちもわかりますが、自分自身にも目を向けて

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最後に、あなた自身へのケアも忘れないようにしましょう。彼と一緒にいない時間は、思い切り気晴らしをしたり、趣味に没頭したり、信頼のおける人を相手に愚痴ったりすることだって必要です。

何度でも言いますが、うつ病は治る病気です。しかし、完治するまでに周りの人たちを少しだけ疲れさせてしまう病気でもあります。

どんなに楽しいことだとしても、ずっと続けば疲れます。そして疲れたら、栄養ドリンクを飲んだり、睡眠を多くとったりしますよね。疲れた自分を責めたりもしませんよね。

それと同じです。たとえ相手が愛する人であっても、疲れるときは疲れますし、それを否定する必要もなければ、疲れてしまった自分を情けないと思う必要もないのです。

誰かを支えようとするなら、まずは自分。無理をしすぎず、がんばりすぎず、自分に厳しくもなりすぎず。あなた自身も彼との未来を楽しく思い描けるように、適度なリフレッシュを心がけるようにしてください。