「元カレと友達に戻りたい」押さえておきたい最低限のマナー

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遥か昔、まだ人間が獣を狩って、剥いだ皮を身に着けていただけの頃、男性が女性を棍棒で殴って気絶させてから穴倉や茂みに連れ込み、力ずくで子を成すことは、別に珍しいことじゃなかったそうです。

平成の現代で考えると、ひたすらおっそろしいですけどね。当時はそんな無理やりなやり方でも、生まれてきた子を集落の全員で受け入れて、全員で育てたといいます。

人間は群れを形成する生き物なので、原始時代にも原始人なりの社会性はあったんでしょうが、おそらく”個”を尊重するという概念はまだ存在していませんでした。

男性も女性も”群れ”の一員として、全体で繁栄していくために、相手が誰であるとか、自分がその相手を想うとか愛するとかではなく、繁殖のタイミングが合うかどうかが、なにより重要なポイントだったんでしょうねえ。

しかし、そんな原始時代から長い長い時を経て、男性が女性に惹かれたり、女性が男性に惹かれる引力を恋愛と呼び、互いの想いを確かめ合った上で関係を固める二人を、恋人同士と呼ぶのが常識となった今、男女関係は非常にややこしくなりました。

その中でも特に厄介なのは、元カレ&元カノの関係。一度は恋人同士になった二人が、さまざまな事情により別れを選んだ場合に陥る、なんとも複雑なアレです。

日本は一夫一婦制の国ですし、恋人関係も1対1が原則。稀に例外があるとはいえ、家族でも恋人でもない異性は全員、知人か友人の枠内に収めなければいけないんですが…。

元カレとは果たして、友人というカテゴリーに大人しく属してくれる生き物なんでしょうか?

元カノの9割はまだ○○だと思っている

幸か不幸か、別れと同時に恋心も消失させなければいけないと思っているのは、圧倒的に女性のほうです。

もちろんどちらの事情で別れたのかも影響はしますが、男性の場合、自分都合で別れても、相手都合で別れても、相手の自分への恋心が完全に失われるまでには、かなりの時間を要するもんだと信じてしまうものだそうで。

「違うのはわかってる。わかってるんだけど、元カノの9割は、まだちょっと俺に未練があるんじゃないかって思っちゃうんだよね。よりを戻すのは無理だとしても、キスぐらいはできるんじゃないかなって」

そういうのを”わかってる”とは言わないんです、おバカ者。よく男性の恋愛は新規保存で、女性の恋愛は上書き保存って言いますけど、いつまでも元カノのどこかに、自分の履歴が残り続けていると思っちゃうんでしょうね。

それは裏を返せば、男性はよほどのことがない限り、元カノたちの履歴を自分のどこかに残しているということ。

そして履歴が残っている以上、元カノはあくまでも元恋人であって、完全な”友だち”として再登録されることはない、ということでもあるんです。

そもそも男女間の友情は成立させづらい

「私、女友だちよりも男友だちのほうが多いんだよね」とか、「姉貴も妹もいるから、女の子と友だちになるの抵抗ないんだ」という人は結構な割合で存在しますが、ひとたび相手からちょっとした恋愛のサインを感じ取ったなら、一瞬にして崩れ去るのが男女間の友情。

男性と女性は、元来惹かれ合うようにできているんです。好みはありますし、無意識の内に遺伝子レベルで合う合わないを判断することもあるそうなので、相手が異性であれば誰でもいいというわけにはいきません。

でも、少なくとも友だちとして好きになれた相手なら、ちょっとしたことがきっかけで恋愛対象者になる可能性は大です。元カレ元カノの関係だったら尚のこと。だってかつては恋愛対象どころか、ドンピシャの恋愛相手だったわけですから。

友だち関係をただ維持するだけでも難しいのに、一度友だち以上の関係を築いたあとで、それをキャンセルして友だちに逆戻りして、さらにそこからもう二度とバランスが崩れないように良好な関係をキープ!なんて、ウルトラC級の難易度ですよ。

大事な人だからこそ…

あなたがもし今、別れた恋人と友だちに戻りたいと願っているんだとしたら、おそらくその彼は一人の人間として、魅力的な人なんでしょう。そして、あなたはそんな彼を今でも大事に想っているのでしょう。

でも、大事な人だからこそ、男性は一般的に元カノを”友だち”より”元恋人”として見がちなことや、そもそも男女間の友情を成立させるのは難しいことなどをちゃんと踏まえた上で、慎重な行動をとらなければいけません。

「私が友だちだと思ってるんだから、彼だってきっと同じように思ってくれているはず」という安易な期待を胸に、軽はずみな言動をとってしまっては、友だちに戻ることはおろか、彼との関係をぐちゃぐちゃにしてしまう危険だってあるんです。

まずは彼の近況を確かめて

あなたと別れたあと、彼はどういう心境で、どういう生活を送っているんでしょうか?別れた直後なら大体の予想はつくかもしれませんが、そこは当て推量で動くのではなく、まずきちんと確認をとりましょう。

彼と共通の友だちがいるなら、その人にさりげなく彼の近況を尋ねてみるのも手です。そして彼にすでに新しい恋人がいたり、趣味に没頭するなどして、明るく暮らしているようなら、友だちに戻りたいという提案も受け入れてもらえるかもしれません。

ただし、もし彼がまだ頻繁にあなたの話をしているとか、あなたと付き合っていた当時に比べると元気がなさそうだ、という展開になったなら、友だちに戻る道はまだまだ拓けそうにないんだと一回引き下がりましょう。

連絡をするときは”新しい自分”で

あなたにも経験があると思いますが、学生時代に親しかった友だちから久し振りに電話がかかってきたとき、相手の声のトーンや話し方がまったく昔のままだと、一気に当時の感情が舞い戻り、疎遠だった期間などまるでなかったかのように、会話が弾んだりするものです。

また逆に、一緒にいた頃には絶対に聞くことのなかった丁寧な挨拶から始まったり、口調も落ち着いて大人っぽい雰囲気を醸していたら、あれから長い月日が経ったことを痛感して、こちらもちょっとよそよそしくなってしまったり、気持ちが引き締まりますよね。

これを応用して、元カレと切る再スタートも、恋人同士だった頃の自分ではなく、友だち関係を希望する”新しい自分”を表に出すように心がけてください。

いくら懐かしくても、慣れ親しんだ気持ちが蘇っても、あなたが望むのは元の鞘に戻ることじゃないんですから。間違っても「こうして話してると、まるで昔に戻ったみたい」なんてノスタルジックなことを言ってしまわないように意識しましょう。

一線を引くのは自分の役目

彼とのやりとりが順調に進んだら、あなたの希望、つまり”友だちに戻りたい”ということを、ちゃんと言葉にして伝えることが大切です。

フレンドリーな雰囲気だからきっと大丈夫、と、なし崩しに好都合な解釈をするのでは、優しさが不十分。もしかしたら彼のほうはその親しい雰囲気を、あなたからの好意の再燃と捉えているかもしれません。

原始時代の話に戻りますが、当時はまだはっきりとした言語が確立されていなかったため、原始人同士のコミュニケーションは前頭葉から放たれる電気信号の送受信、つまり、テレパシーに近いものだったとする説があるんです。

真偽のほどはわかりませんけど、そのテレパス能力が衰えたのは言語が発達して、必要がなくなったせいなんだとか。

”察する能力”がすっかり退化してしまった現代人の私たちが頼るべきものは、言葉です。あなたは私のことをよく知っているんだから、言わなくても解かってくれるよね?という期待は、恋人同士を卒業した二人には度が過ぎた甘え。

手厳しいことを言うようですが、もしあなたの気持ちをはっきりと伝えないまま、あなただけなんとなく友だちに戻れた気になって、よりを戻せるかもしれないという誤解を彼の中に芽生えさせてしまったら、その責任はあなたにあります。

そしてもし万が一、彼が告白めいたことをしてきたら、どうしましょうか。「そんなつもりじゃなかったの」と断って、無駄に彼を傷つけた上で、最初の目的はどこへやら、気まずい終わりを迎えることになるかもしれません。

彼から「恋人同士に戻ろう」という言葉を引き出す前に、あなたのほうから、「私はあなたと友だちになりたいの」と一線を引いてあげるのが、最低限の思いやりであり、マナーです。

あなたの希望に彼がどう応えてくれるかは、伝えてみなければわかりませんが、元カレと元カノという複雑で微妙な関係の代表ともいえる間柄から、なんとか抜けだして新しい関係を築き直したいというあなたの想いの丈が、彼に真っ直ぐ届くといいですね。

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