絶対「旅恋」がしたくなる!旅での恋愛を描いたときめく映画5選

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旅先での恋を描いた映画って、ひときわロマンチックに感じませんか?

旅で恋をした経験のある人なら、思い切り自分を重ね合わせてしまうこと間違いなし。

そうでない人もアドレナリン沸騰間違いなしの「旅恋映画」を集めてみました!

「ビフォア・サンライズ―恋人までの距離」

Original Cinema Quad Poster - Movie Film Posters

1995年、リチャード・リンクレイター監督のアメリカ映画です。

名前を与えられた登場人物は、主人公の男女のふたりだけ。たった1日を描いた映画で、大きな起伏があるわけでもないストーリー。

それなのに、この目の離せなさ加減は一体!?と、その吸引力にびっくりしてしまう映画です。

ヨーロッパを旅行中のアメリカ人新聞記者の男性と、大学で勉強中のフランス人女性が、ユーロトレインの中で隣の席に座ったことがきっかけで知り合い、意気投合。

もっとお互いを知りたくなった二人は、ウィーンで途中下車して一日を過ごすことになる―。本屋、遊園地、川辺。知らない街の知らない場所を歩きながら、二人が重ねていく会話だけで映画は進んでいきます。

その二人の間の空気感が、まるでドキュメンタリーのような生っぽさなのです。懐かしき「あいのり」や「ハニカミ!」を思い出させるような臨場感に、自分を重ねてものすごくときめいてしまう。

恋が芽生える瞬間。そしてそれが、お互いの間で熟していく過程。それが、まるで触れることができそうなほどくっきりと見えるような気がするのは、全てアドリブかと思うほど自然な主演の二人の演技のせいでしょうか。

口にしないことのときめき

二人が歩く速度と、会話のスピードで進んでいく映画なので、二人のやりとりする会話が重要な役割を担っています。

会話は、出会ったばかりの相手との関係を深めるためのもの。お互いに一目で惹かれあった二人のやりとりは、旅人同士の表面的な会話をすぐに越えて、小さい頃の思い出や哲学的なことなど、どんどん深く、かつとりとめのないものになっていきます。

だけど、会話の内容自体は実は重要じゃないんですよね。惹かれあう男と女のあいだの会話は時に、加速する気持ちをカモフラージュするための役割を果たしたり、「あなたに触れたい」という気持ちを言外にやりとりするためのものになったり、するのです。

自分にも覚えがあるそんな空気が、話し続ける二人の表情や間の取り方から伝わってきて、思わずにやりとしてしまう。

そこに、思わず「うまい!」と叫んでしまうようなシーン
が入ってくるのです。

観覧車に乗って、会話がとぎれて見つめあう二人。その時に、女が口にするセリフが「キスしたいの?」。

口を開いた男の、声にならない「イエス」。(この時の、主演のイーサン・ホークの演技ときたらたまらないキュートさ!)

キスするのに、もちろん言葉はいりません。口に出すことと、出さないことのバランス。このさじ加減が、恋のときめきを作り出すのだなぁと監督の演出に感じ入ることしきりです。

美しきウィーンでの14時間

男と女。その二人だけで、こんなにも豊穣なドラマが作れるんだと再確認させる映画ですが、もう一人の主役とも言えるのがウィーンの美しい街並みです。

異国の美しい街並みを歩く高揚感。それが恋を加速させていることが感じ取れるのです。

途中下車してから、翌朝二人がまた別れるまで一緒にいた時間はたったの14時間。その短くも濃密な時間を、壮麗な橋や、夜の川辺の明かりや、公園のひそやかさが彩ります。

光にあふれる昼間から、夜になるにつれて表情を変えていく街並み。それに呼応するように、熱を増していく二人の間の温度。もう夜が来た。そして朝が来る。離れたくない。この街から。この人から。

見ている方も思わず、自分を重ね合わせてそう感じてしまいます。

この結末こそが、旅恋の醍醐味?

ラストシーンで、私はまたもや「うまい!」と思ってしまいました。ある意味、これが旅の恋の美しさなのだと。

少しだけネタバレになりますが、この結末で「二人はきっと再会する」と思う人、「二人はもう、会うことはないんだろうな」と思う人で意見が分かれることでしょう。

もしかして監督は、「もう二人は会うことはない」と思って撮っていたのではと思います。

もし続いたとしたって、きっといつかはグズグズになって消滅してしまう。だったら、恋の始まりの、一番いいところでいさぎよく終わらせよう。

それこそが旅の恋の醍醐味で、だからすぐに消える花火のように美しい、ということを描きたかったのではないか。というのが私の解釈でした。

9年後に、続編「ビフォア・サンセット」が上映されてあっさりとその解釈はくつがえされるのですが…。

今年に入って、最新作の「ビフォア・ミッドナイト」が公開されて三部作となったこの映画。ぜひ、3本続けて観てみてください!


「食べて、祈って、恋をして」

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ライアン・、マーフィー監督、ジュリア・ロバーツ主演。2010年のアメリカ映画です。

主人公のエリザベスは、キャリアに恵まれた30代後半の女性。だけど、離婚に若い男との失恋を経て、「人生への情熱や意欲を感じられない。もう一度感じたい」と一念発起、長期の旅に出ることにします。

イタリアでは、ひたすら美食にふけり、インドではアシュラムに滞在し、瞑想とヨガの日々。最後に訪れるバリ島では、新しい恋と心の調和を見つける。

そう、「食べて祈って恋をして」…タイトルそのまんまですよね(笑)イタリアでは食、インドでは祈り、バリ島では恋。雑誌の旅行特集のイメージそのまんまでもあります。

女性誌のきらびやかな旅行特集を読むと、「こんな旅をするお金も時間もねーよ」と思いながらも、見ているだけでも妄想がひろがって楽しかったりしませんか?

良質な旅行ガイドのような各国の映像のなかにいる主人公を見ていると、そんなふうに素敵な雑誌をぱらぱらとめくっているように雰囲気を楽しめるのです。

簡単に恋ができない年齢

30代後半、それなりに恋も、結婚も経験して仕事もばりばりやってきた妙齢の主人公。だからこそ、10代や20代が主役の物語のようにお気楽に恋に落ちない展開が、同年代の女性には共感するポイントです。

イタリアでは、送ってくれた男性を部屋に入れずに帰らせる。バリ島でも、いい感じになりかけた男性の「裸で一緒に泳ごう」というハジけた誘いを断る。

どれも、「あと10年若かったらしてたかもしれないけど…」という心の声を感じさせる主人公の迷いが見えて、わかるわかる、と思ってしまいます。

傷ついたり失敗したりを何度も繰り返してきたし、無邪気に恋だけしていられないと悟っているからこそ、「その先」を考えてしまうんですよね。大人の女性にとってそれは、旅先であっても同じこと。

もう一度、情熱に身を任せること

だけど主人公エリザベスは、最後にバリ島で、我を忘れて惹かれてしまうような相手に出会います。

情熱に身を任せかけるも、「せっかくインドで心の平安を学んだのに、あなたといると調和が乱れる」と、離れようとしてしまうエリザベス。

そう、ここも大人の女のやっかいなところ。すでにできあがっている自分のペースやリズムが、恋愛によって乱されてしまうのが怖い。それに、恋愛につきもののネガティブな感情を、また味わうのが億劫なのです。

しかし、バリ島のヒーラーのおじいさんとの出会いなどを通じて、「調和を失った自分もまた自分である」と学んだエリザベスは、また恋に身を任せることを選びます。

なんだかんだ言っても、それこそが、彼女が旅に出て取り戻したいと願っていたものなのかもしれません。

もう20代のころみたいにはしゃげないけど、それでも旅恋がしてみたい!そんなあなたにぴったりの映画です!

「ローマの休日」

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ウィリアム・ワイラー監督、オードリー・ヘップバーン主演。1953年製作の、言わずと知れた名作映画です。

とある小国のアン王女は、ヨーロッパを訪問中、堅苦しい社交ばかりのスケジュールに衰弱してこっそりローマの街へ抜け出します。

そこで出会った新聞記者・ジョーに連れられてローマを観光することになるアン。ジョーは、アンを王女と見抜きスクープしようという下心を持っていたのですが、一緒にいるうちに気持ちが揺れてきて…。

と、ストーリーを説明するまでもない大名作映画ですが、もしかして改めて観た事がない方も多いかもしれません。

この映画でデビューしたオードリー・ヘップバーンは、妖精のような女優として伝説的ですが、この作品の中での彼女が一番魅力的だったのではないかと筆者は思っています。

その年齢とそのタイミングでしか現れない、女性の最高期の輝きを切り取った奇跡的な映画だと。モノクロの画面なのに、その美しさは色を感じさせるほどに輝いています。

画面の中のオードリーを観ているだけで、自分の美貌もいくらかはアップするようなご利益がありそうなほど…。

日常というカゴから飛び出すこと

王女様の日常と、我々庶民の日常は全く違いますが、自分の役割を演じていて毎日が予想できるという点では同じかもしれません。

その日常というカゴから飛び出すのが、旅という行為。自分の力で手に入れた、つかの間の自由です。

その中では本来の自分を取り戻して、無邪気にふるまえるというのも、どんな立場の女性もきっと同じ。

アイスクリームを食べたり、思いつきで髪を切ったり、真実の口を怖がるアン王女の表情は、少女のようにくるくる変わってとてもキュート。そんな彼女だからこそ、下心のあったジョーも次第に惹かれていくのです。

日常というカゴを飛び出したら、どこまでも素の自分にもどってのびのびと振る舞うこと。それが旅での恋を引き寄せるコツだと、この映画は伝えてくれます。

永遠の1日

成就するはずのない、アン王女とジョーの恋はたった1日で終わってしまいます。アン王女は、国務に戻り、国民のために生きていく決意をインタビューで語るラストシーンはとても切ない。

彼女はこの先も、ローマでの1日を何度も思い出し、心の支えにして生きていくのでしょう。

「ビフォア・サンライズ」でも書いたように、たった1日だからこそ美しいというのも旅の恋の真実ではないでしょうか?

たった1日が、数年に匹敵するほどの意味を持つこともあるのだから。もしあなたが旅で恋をして、夢のような1日を過ごして、その相手とその後二度と会えなかったとしても。

それから先、何度も思い出しては支えになる一日を、永遠の1日とも呼べる日を手に入れたのなら、それはきっと、その相手と何年も付き合ったのと同じくらい価値のあることなのだと思います。

「旅の重さ」

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斉藤耕一監督、高橋洋子主演。1972年の日本映画です。

主人公の少女は、16歳。母子家庭で、男出入りの激しい母親や学校から距離を置こうと、一人で四国の88ヶ所を徒歩で巡るお遍路に旅立ちます。

この映画でデビューした高橋洋子の、野生の草花のようなみずみずしさ、初々しさと、彼女が歩く速度で流れていく、40年前の四国の素朴な風景が印象的な作品です。

少女は様々な経験をして、徒歩では追いつかないようなスピードで世間を知り、成長していく。昔の映画だけに、驚いてしまうようなシーンもありますが、現代にも通じる普遍的な物語です。

非ロマンチックな旅恋

この映画が、他の旅恋映画と一線を画しているのは、恋愛にロマンチックな道具立てがなにもないことです(笑)

主人公の少女は、漁師町で出会った、父親ほども年の離れた男の家に泊めてもらい、熱を出したところを看病してもらったのがきっかけでその家に住み着くようになります。

現代の若い女性がときめく要素なんて何もない、ステテコにモモヒキの昭和の中年男。長屋のような質素な家で、少女はさんまの煮付けなんかを作りながら男の帰りを待つ…。

ロマンチックで非日常的なところなんて何もない、それなのに、「自分が主人公だったとしても、こういうことあるかも」と、なぜか感情移入してしまうのです。

旅が日常に結びついていくこと

父性を求めるように男に惹かれ、旅の気ままさを満喫しながらも、自由にともなう責任の重さと足場の不安定さに耐え切れなくなった少女が、安定を欲するように男の家に住み着いた気持ち。

それが、理解できるような気がするのです。

この少女の場合、旅が非日常ではなく、最後には日常につながっていく。男と夫婦のように暮らしはじめた少女が、共に働く時の幸せそうな笑顔が胸を打つラストシーンです。

旅をして、流れ着いた果てに待っているおだやかな日常。そんな旅の恋の形もあるのだと、新鮮に感じられる、異色の旅恋映画です。

旅恋映画は、二度おいしい

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いまのところ、旅にも恋にも縁がない。そんな人も、どちらも疑似体験できるのが旅恋映画の魅力。

旅も恋も、人間に大きな変化と気づきをもたらしてくれるものです。主人公に自分を重ね合わせて映画を観るだけでも、体のなかを異国の風が通り抜けるような体験になること間違いなし。

次にレンタルショップで手に取るDVDは、ぜひ旅恋映画を選んでみてはいかがでしょう?