茨の道を切り拓け!宗教が違うカップルの平和な結婚へのステップ

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日本には八百万の神様が存在すると言われ、お参りをしたり、神頼みをしたりする風習が根付いている国です。お正月に友人同士や恋人同士で待ち合わせて初詣に行ったり、お互いに御守りを贈りあったりすることも、けっして不自然ではありません。

しかし、神様が大勢いすぎるせいでしょうか。仏教とキリスト教が違うことぐらいは知っていても、お寺と神社の違いがイマイチ良く分かっていなかったり、家族でよく訪れるお寺の宗派がどんな宗派なのかは知らない、という人が大半です。

中には、自分の恋人の宗教観すらさっぱり興味がない、という人も。でもそれ、知らないままで本当に大丈夫でしょうか?知らないままで結婚しても、なにも問題はないんでしょうか?

恋人の宗教は知っておこう

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結婚の予定のあるなしに関わらず、恋人の宗教観は知っておいたほうがいいです。というのも、それを知らずにいることで、何気ない一言で彼を傷つけたり、気まずい雰囲気にしてしまう可能性があるからです。

たとえば、日本では恋人たちのイベントと化しているクリスマスをバカにするとか、厄落としやお祓いを否定するなど、あなたにとっては深い意味のない言葉でも、彼の宗教観によっては、おおごとに発展することだって考えられます。

昔から、「人と揉めたくなければ、政治と宗教の話はするな」と言いますが、信念や信条、そして信仰に関わる部分はナイーブな部分。まかり間違っても揶揄したり、否定してしまうことがないように、早めに確認しておくのが無難です。

宗教を確認するときの注意点

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想像してみるとわかりやすいですが、デートの最中に突然、「あなたって何か宗教持ってる?」と訊くのは得策ではないでしょう。数多の神様がいるにも関わらず、宗教アレルギーの人もそれなりに多い日本ですから、そこは直接的よりも間接的にアプローチ。

「今度友だちが神社で結婚式するんだけど、参列の作法とかわからなくて。そういうの詳しい人?」
「お盆休みって暇? 実家に帰ってお墓参りとかするの?」
「おみくじとか占いとか信じるタイプ?」

こんな感じで切りだしてみるのがお勧めです。そしてここから少し話題が広がったら、話の自然な流れに乗って、「○○くんって無宗教なの?」や「おうちの方たちは仏教徒?」と、核心に近付く質問をしてみましょう。

その際の注意点です。

自分からは具体例を出さない

この世の中には、たくさんの宗教団体があります。有名な団体、無名の団体、母体はよく知られているけれど宗派が少しだけ違う団体、活動が活発な団体もあれば、それぞれの事情で対立関係にある団体同士もあります。

なので、自分からは具体的な名前は出さないのが一番です。私は以前、会社の同僚との何気ない会話の中でうっかり彼女の宗教と他宗教を比較するような言い回しを用いてしまったために、小一時間余り、両団体の違いについて説明をさせてしまった心苦しい思い出が…。

彼の返答に動じない

そして、彼の口からハッキリと固有の団体名が出てきても動じないこと。そこであなたがとる最初のリアクションによって、今後の彼との関係が大きく左右されることもあるので、まずはなにを言われても「そうだったのね」とライトに応じましょう。

その団体について調べることや考えることは、家に帰ってからも出来ますからね。落ち着いた笑顔で、その場は一旦受け止めてあげてください。

もし二人の宗教観が異なったら

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彼自身、もしくは彼のご家族の宗教が判ったら、まずその宗教について下調べをします。そして、その宗教の理念や活動などが、あなたの許容範囲内に収まるかどうかを見極める必要が出てきます。

よほどのことがない限り、どうしても受け入れられそうにないルールや団体特有の常識などはないと思いますが、もし彼と結婚し、末長く家族として過ごすことになれば、以下のような問題にぶつかる可能性があることは念頭に入れておいてください。

・一緒のお墓に入ることができない
・互いの宗教に関連するイベントへの出欠席で揉める
・いずれ生まれてくる子どもへの宗教的指導が異なる

この他にも、家に置く仏壇や祭壇が複数になるとか、寄付やお布施の習慣によって家計に多少の影響が出る場合も。あらゆる状況を想定した上で、二人が連れ添って生きることができそうかどうか、改めて検討してみるのがいいでしょう。

異宗教間の結婚を決断したら

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前述の通り、宗教は繊細な話題です。でもそれだからこそ、曖昧で遠回しな表現だと伝わりにくい一面もあります。「宗教は違ってもこの人と一緒になる!」という覚悟が決まったなら、そのときはしっかりと、話し合いの時間を持つべきです。

まずは彼本人と話し合う

真面目な話をあまりしないカップルだと、どう切りだしたらいいかわからない…と悩むかもしれませんが、そんなときはシンプル・イズ・ベスト。デート前にお化粧待ちをしてもらっているときや、寝る前のまったりした時間にでも、真っ直ぐな言葉で伝えましょう。

「そういえば前に、あなたのおうちは○○教って言ってたじゃない?うちの家系って、△△教なんだけど、それってお付き合いする上で、なにか問題になったりするかなあ?」

ここで彼が、うちはそんなの全くないと思うよ、俺も気にしないし、という感じで返してくれば、おそらくあなたがた二人は大丈夫。細かい部分でギャップを感じることはあっても、別れの危機に繋がったり、家族同士が派手に揉める可能性は低そうです。

そしてもし彼に気になることがあって、それを今まで言えずにいたとか、これまで気にしたことがなかったけれど言われてみれば…と思い当たることがあるなら、これを機会に何か意見を言ってくれるかもしれません。

どんなことも第一歩から。最初は歩幅が合わなくても、お互いへの気遣いさえ欠かさなければ、いずれは自然と歩調が合うようになっていきます。

自分の家族とも話し合う

よく言われることですが、結婚は夫婦二人だけの問題ではないので、まずはそれとなくでも、自分の家族には彼と宗教が異なることを話しておくといいと思います。

その際には、あなた自身がそのことをしっかりと受け止めている様子をアピールすることが大事です。親の目から見て、まるで重要視していなさそうだったり、また逆に、重く受け止めすぎているように映れば、不安にさせてしまうこともあります。

全てがそうとは言いませんが、多くの団体に信者以外の人たちが抱くイメージは先入観をはらみがち。最初にご家族が難色を示したとしても、二人が毅然とした態度で、どんな違いをも乗り越えていく姿勢を見せていれば、いずれは受け入れてもらえるでしょう。

宗教観の違いは思想の違いなので、どちらが正しくて、どちらが間違っているという問題ではありません。恋人間や家族間で共通しているほうが確かに楽ではありますが、たとえ違ったとしても尊重し合うことは充分に可能。

もっとも重要なことは、否定しないこと。受け入れなくても受け止めること。

話し合いと思いやり、そしてたっぷりの愛情で向き合ってみてください。宗教の壁をそれなりに乗り越えて幸せに至る先輩からの、ささやかなアドバイスでした。

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