私ばっかり!が同棲解消の原因に?不満をためない家事分担の方法
同棲生活で、大きなポイントとなるのは「お金」と「家事」。そのどちらにも、お互いが満足している状態なら同棲はうまくいきます。逆に、どちらかでも不公平だと感じて不満をためていると、命取りになってしまいます。
今回は「家事」の分担に焦点を絞り、お互いが気持ちよく暮らすための方法を見て行きましょう!
意外と分かっていない?「家事は業務であり仕事である」事実
家事でもめたり、どちらかが不満をためこんだりするのはよく聞くことですが、そもそもその原因の根本は何なのでしょうか?
家事に、愛情もやさしさも性別も関係ない
家の中を掃除して、きれいに保つ。ごみを出し、たまらないようにする。毎食ごはんを作って片付ける。着た服は洗濯をしてたたみ、しまう。家事とは、生活をしていく上で欠かせない業務であり、したがって生活をする人間なら誰でもやるべきこと、できることです。
それが、不満やケンカの元になってしまうそもそもの原因は、家事が純粋な業務であると考えられていないからではないでしょうか?家事に、「愛情」だとか「やさしさ」、「女らしさ」などという、本来は関係がないものを絡めてしまうからです。
同棲カップルに限らず、夫婦間でもよく聞くのは、「私ばっかり家事をしている」と女性側が不満をためているというものです。だけど、そもそも、最初から進んで「自分ばっかり」やってしまっているのは、他ならぬ彼女自身だったりします。
マンガやドラマで、つきあっている彼氏の家に彼女がやってきて、料理を作ってあげたり、掃除をしてあげたりするシーンを見たことがない人の方が少ないのではないでしょうか?そういう風に、「男性に家事をやってあげること=愛情を示すこと」という刷り込みが、社会的なレベルでなされてしまっていると言えます。
男性側も、無意識にしろ意識的にしろ、女性に対して「家事をすること=女性のやさしさ」だという考え方を押し付けていることも多いようです。それで女性も、「家事を自分がしなくては悪い」「家事をやるのがいい彼女」と、どこかで思い込んでしまう。
だけど、家事はただの生活に必須の業務です。仕事と同じで、合理的に割り振りをすればいいし、誰かに業務の過重負担があれば他の人に回せばいい。その考え方を、まずお互いに徹底する必要があります。
「なんとなく」だけでは家の中は回らない
業務負担の話し合いなしに、なんとなく生活を初めてしまうと、たいていはどちらかに負担が偏ってしまうことになります。
どれくらいの汚れなら掃除をするか。料理はちゃんとすべて手作りするのか、レトルトを多用するのか。洗濯はたたまずに放って置いても平気なのか、許せないのか。人によって、「家事をする」の感覚もレベルもさまざまです。
二人ともが、同じラインにいればいいのですが、そういうことはめったにありません。異なる感覚の二人が、何も示し合わせなくても、あうんの呼吸で連携して、適度に分担して家事をこなせるというのはレアケース。
「え~?特に話し合って分担してないけど、なんとなく回ってるよ?」という人は、家の中が勝手に回っているのではなく、相手が頑張って回しているのに気づいていないということもあります。そして、相手が「いつも私ばっかり!」と爆発して初めて気づくことになる。
例えば、片方が食後の後片付けを担当していたとします。いつもちゃんとやっているつもりでも、鍋を洗い残していたり、テーブルやシンクの上が汚れたままだったりして、結局もう片方が尻拭いをすることになり、不公平感を募らせている。そんなケースもあるのです。
そういうことを防ぐためには、まず最初にざっと分担やルールを決めておいて、要所要所で見直しをしたり、再度話し合ったりする。そういう姿勢がベストです。
分担のベースになる3つの要素は、「時間」「適性」「出資額」
さて、いよいよ分担の話し合いになるわけですが、平等に分担するといっても、一体なにが「平等」になるのでしょうか?その際にポイントになるのは、「時間」「適性」「出資額」という3つのキーワード。それぞれがどれだけ持っているかという点から見て、それを平等に分け合うと考えるといいでしょう。
「時間」は、家にいられる、つまり家事に当てられる時間がどれだけあるのかということ。例えば、片方は週休二日で、18時には残業なしで仕事が終わる。もう片方は、週休1日で、毎日残業で21時ごろ帰宅。その二人が、業務量だけ平等に負担しようとすると不公平感が出ます。
「適性」は、それぞれどの家事が得意なのかということ。料理が苦手な方が、料理を担当するとストレスになり不満がたまりますが、得意な方がやればストレスも少ないし、効率的にできるのでトータルでかかる時間も少なくなり、合理的です。また、「洗濯のやり方はこうでないと!」というこだわりがある方が、洗濯をやればいい。そういうことです。
「出資額」は、生活費の分担がお互いにどれくらいかということ。家賃光熱費すべて払っているのに、家事は折半ということになれば、たぶん多く払っている方が不公平だと感じることになるはず。
もちろん、こういうことを全部気にする人もいれば、おおらかな人もいます。カップルによって、落としどころは違っていて当たり前。次の章から、具体的な分担方法例について見ていきましょう。
すっきりしたいタイプに人気!「きっちり平等」派
お互いに、似たような勤務形態で生活費も折半、というカップルならこれがポピュラーなやり方です。
機械的に割り振り――全ての家事を順番にやる方法
平等に家事を割り振る、と考えて一番に思い浮かぶのは、すべての家事を二人が同じだけやる、というやり方ではないでしょうか?
- 今日彼氏が洗濯をしたら、明日の洗濯は彼女がやる。洗濯をやってもらった方が、たたんでしまう。
- 朝ごはんはそれぞれでパンを焼いて食べ、お昼は二人とも社員食堂。
- 夕食は日替わりもしくは「週前半は彼」「週後半は彼女」というふうに交代で料理を担当し、作ってもらった方が洗い物をする。
- 掃除は、「月曜日はお風呂そうじ」「火曜日は台所そうじ」などと決め、週替わりで担当。家中を大掃除するような時は、二人で時間を合わせてまとめてやる。
- ゴミだしは、週替わりで交代。
機械的に、全てをきっちり二分するのです。このやり方の良い点は、とにかく文句を言えないような業務分担の透明さ。
問題点は、交代制にすると「あれ、今週私だったっけ?」とうっかり忘れがちになってしまうこと。引継ぎがひんぱんに必要になってわずらわしいこと。料理の場合は、食材を使いまわすという業務の性格上、非効率的になったり無駄が出やすいということ。
「毎日マカロニチーズ」にキレる?!適性に合わせて分担する方法
ある海外のコラムに、家事分担に関するこんな話が載っていました。男女平等だからと、張り切って均等に家事を分担したアメリカの同棲カップル。やり方は、前述の「全て機械的に分担」方式です。
ところが、やがて彼氏が「不公平だ!」とキレ出したというもの。「料理を日替わりで担当してるけど、僕はいつも時間をかけて凝った料理を作るのに、君はいつもマカロニチーズしか作らないじゃないか!」と。こんな場合は、適性に合わせた分担が必要になってきます。
- 料理は全て、料理が得意な彼氏が担当。後片付けは全て彼女。彼氏が疲れていたり、できない時は前もってお願いする。
- 洗濯をして干すのは、「洗濯物のシワを伸ばすのが好き」という彼女が担当。たたむのは、たたみ方がきれいな彼氏が担当。
- ゴミを集めてすぐ出せるように準備するのは、後片付けのついでに彼女がやる。朝ゴミをもって行くのは、より腕力のある彼氏の担当。
- お風呂そうじは、いつも長風呂をする彼女が担当。台所そうじは、料理番長である彼氏が担当。トイレそうじは、「前回彼女がしたので今回は彼氏」というふうに順番に。
この方法の良い点は、お互いに適性のある家事をやることでストレスが少ないこと。得意な方がやれば効率的で、家事にかける時間も減るので、二人の時間が持てること。
問題点は、お互いにノータッチな分野が出てきてしまうと、イレギュラーにやらなくてはいけない状況になった時に困ること。
綿密なすり合わせが必要!「生活費の割合に応じて分担」派
国同士の関係と同じように、どちらかが多忙な場合、「時間と労働力は供出できないが、カネは出す」というやり方もあるでしょう。
彼女が生活費を出し、暇がある彼氏が家事担当
彼女が大企業の正社員として、残業や休日出勤も辞さずにばりばり働き、彼氏は仕事を辞めて、次の仕事に向けて資格取得の準備中というカップルのモデルケースの場合(もちろん逆でも)、こんな分担の仕方をしているところもあります。
生活費は、全て彼女持ち。たまに彼氏がお酒やスイーツを買ってきたり、デートをした時に食事をおごったりする。トータルで、お金を出している割合は9:1くらいなので、家事分担もそれに準じてやる。
- 毎日の食事作りは彼氏。朝食は、彼女が自分でスムージーを作って飲み、彼氏は前日の残りや何かを適当に食べる。
- 余裕があれば、彼氏がお弁当を作って持たせる。
- 夕食は基本的に彼氏、休みの日だけ彼女が作る。後片付けも彼氏。
- 洗濯をして干すのは彼氏。たたんでしまうのだけ、彼女は自分の分を自分でやる。
- 掃除も基本的に全部彼氏。だけど、たまに手を貸してほしいときは彼女に「これやって」と業務を割り振る。
この方法の良い点は、「お金に余裕があるけど、家事に使える時間と余力がない」という彼女と、「時間に融通がきいて体も空いているけど、お金に余裕がない」という彼氏の利害が一致しているところです。
悪い点は、どこの働く夫(妻)と専業主婦(主夫)のカップルにも当てはまることですが、お互いの大変さが見えなくなってしまい、「養ってもらって当たり前」「家事やってもらって当たり前」な態度がケンカを招く可能性があることです。
お金も、家事も7:3――七三分けで、カップル円満?
デートにおいて、男女がお金を出す割合の理想として、「彼が7割、私が3割くらいが理想的」という女性が多いような気がしませんか?
出してもらいっぱなしは気が引けるし、彼氏のふところ的にも無理だけど、男が多めに出してくれているということでなんとなく彼女の自尊心が満足し、彼氏のメンツも立つというちょうどいい割合なのかもしれません。
同棲カップルでも、彼氏の方が収入が多い場合、七三ルールを導入してみるとおさまりがいいのではないでしょうか。生活費の総額を計算し、その7割を彼氏、3割を彼女が出す。家事の分担もそれにならってやるというものです。
男女平等だし、建前上は家計も家事も平等に…と言いたいけれど、実のところお金は男が多めに出す方がいいと思っているし、料理や家のことは女がメインでやったほうが落ち着く。そんなふうに感じる男女の微妙な心理に、この七三ルールは有効かもしれません。
お金は割合がわかりやすいけど、家事の分担は曖昧なものなので、そこは話し合いで。だだけど、例を挙げるならこんなふうに分担するといいでしょう。
- 平日の料理は彼女の担当。洗い物は彼氏。
- 週に1度だけ、彼氏が料理をして彼女が洗い物をする。
- 掃除は基本的に彼女。彼氏は休日に、「トイレそうじのみ」「おふろそうじのみ」など、局地的に担当する。
- 洗濯をして干すのは彼女。たまに彼氏も気づいたらやるか、彼女に時間がない時はお願いする。
- たたんだ洗濯物は、各自でしまう。
- ゴミ出しは、彼女がまとめ、彼氏が持っていく。
「きっちり平等派」が、2人とも主戦力でやるイメージなのに比べ、こちらは彼女がメイン、彼氏が必要に応じてサポートするサブ、というイメージでしょうか。
時間も業務も細切れに――「時間に応じて分担」派
最後は、勤務形態や勤務時間がバラバラなカップルのための分担方法。「自由になる時間帯」を軸にして、分担を考えていきます
早朝にゴミを出す教職員彼氏、夜中におかずを作るサービス業彼女
例えば、こんなカップルを例に出して見てみましょう。彼氏は教職員で、朝の6時半に家を出て、19時に帰宅。彼女はサービス業で、朝10時に家を出て、21時に帰宅。
この二人の場合は、その家事をするのに一番合理的な時間帯に、どちらが融通がきくのかという観点からこんなふうに割り振るといいでしょう。ポイントは、「洗濯」「料理」といったひとつの家事でも、細分化して考え、うまく分担することです。なのでここでは、1日の時間の流れにそって見てみましょう。
- 朝、彼氏が、前日の夜に彼女が用意してくれたおかずを詰めてお弁当を作る。出勤前に彼氏がゴミを出す(ゴミ収集の時間までに彼女が起床できないから)。
- 9時前に起床した彼女が、夜にタイマーをセットしておいた洗濯物を干す。
- 出勤前に彼女が、ざっとリビングを整理したり、5分くらいでトイレ掃除をしたりと、片手間でできる掃除をする。
- 先に帰宅した彼氏が、洗濯物を取り入れ、夕食を作る。
- 彼女が帰宅したら一緒に食べ、後片付けは彼女。
- 洗濯物は2人一緒にたたんでしまう。
- 彼氏が先に就寝し、彼女は翌朝のためにお弁当のおかずを作り、ごはんと洗濯機のタイマーをセットする。
- 大がかりな掃除は、休日に交代でやる。もしくは、休みがかぶれば2人でやる。
厳密すぎてもダメ?大切なのは「きっちり」と「曖昧」のバランス
以上、例に挙げた分担のやり方から、あなたと彼氏の実情に近いものを選んで参考にしてみてはいかがでしょうか?一口に家事の分担といっても、色んな考え方の軸があるし、それぞれのカップルに合ったオーダーメイドのやり方があります。
どんなやり方を取るにしても、大切なのは、お互いが気持ちのいい方法をちゃんと話し合って決めること。だからといって、決めたことに杓子定規になりすぎないこと、ではないでしょうか。
「それは君の担当だから、僕はやらない」というふうに、あまりにかっちり分けすぎてそれ以上やらないという態度だと、分担をしっかりしていても結局ぎくしゃくしてしまいます。
大体の枠を決めておいて、あとはお互いにフォローし合う気持ちで、イレギュラーなことも引き受けてゆるやかにやっていくという曖昧さも必要です。
たかが家事、されど家事。どうせなら2人で家事も楽しんで、ハッピーな同棲ライフを!