喧嘩するのがバカバカしくなる?!笑えるカップルの喧嘩ネタ集
カップルの喧嘩は、図らずも爆笑エピソードが生まれることがあります。その時は真剣に腹を立てていても、思い返すと「なんであんな下らないことで…」と思った経験が誰でもあるのではないでしょうか?
筆者の周りにアンケートを取り、はたから見たら笑える、カップルのくだらない喧嘩エピソードを集めてみました。わが身を振り返って、喧嘩防止に役立つかも?!
環境問題から、驚きの展開に!?「今すぐハゲろ」の暴言
彼氏と二人でいるときに、にわか雨に降られた。そんなことから思わぬ喧嘩になってしまったIさんのエピソードです。
まさかこんなところに地雷があるなんて
Iさんが、環境問題を勉強している大学生だったころのこと。違う学部を専攻している彼氏と二人で、学校へ向かっている時に雨が降ってきました。
「うわー、最悪」「傘持ってきてないよ」二人は濡れながら近くのバス停に駆け込み、雨を逃れました。
「知ってる? 最近は、世界的に雨の酸性濃度が高まってて、日本でもそういう雨が降ることもあんねんて」とIさんは、環境問題に関する知識を披露しました。
「だから今のも、酸性雨かもしれんよね。酸性雨って、毛根に悪い影響を及ぼしてハゲる原因になったりするんやろ?あんたも今濡れたからハゲるかもね」Iさんは、雨に濡れた彼氏を見て笑って言いました。
ほんの冗談のつもりでした。ところが、彼氏がIさんの言葉に急にキレだしたのです。「うるさいな!じゃあお前だってハゲるやろ。ていうか、お前こそハゲろよ」
実はこの彼氏は、若くして薄毛になってきたことを密かに、猛烈に気にしていたのです。朝晩内密に育毛剤を頭皮に塗りこみ、生え際が目立たない髪形を工夫し、昼夜努力していたのです。
そんな彼は、「ハゲ」というキーワードにことさら敏感になっていました。加えて、雨で濡れて貧相になってしまった自分の髪が、どういう風に見えているか気が気ではなかった。そんな時にIさんが地雷を踏んでしまったのです。
しかし、急にキレられたIさんはとても理不尽に感じ、キレ返しました。
「何よ、彼女に向かってハゲろって!あんたこそハゲろ」「うるさい、お前こそハゲろ」「あんたなんか、今すぐハゲろ」「お前の毛なんか全部抜けたらええねん」
雨が降り続くバス停。二人はそんなふうに、お互いに「ハゲ」を連発して罵りあいました。彼にとっては、自分を傷つける刀である「ハゲ」というキーワードを何度も口にして、きっと身を切られるような辛さだったのでしょう。しかし、Iさんも傷つきました。
怒りにかられながら、彼をその場に残して立ち去ったIさん。一人で大学へ行きましたが、その日の授業には身が入りませんでした。
その夜に、友達を呼んで彼氏との喧嘩のことを泣きながら話したIさん。友人の返答は、「しょーもない」でした。「しょーもない。もっかい言うで、しょーもない」
後にひけなくて…アダム徳永の弁護でイスを投げる
筆者も、愚かだった大学生時代にくだらない喧嘩をやらかしたことがあります。
「アダムを悪く言うな!」
あれは大学2年のころ。ふと本屋で目に留まった本がありました。そのタイトルは、「スローセックスのすすめ」。
ご存知の方も多いと思いますが、「アダムタッチ」なる愛撫のテクニックで一世を風靡した(?)アダム徳永の著作。AVのマネをする男の身勝手な行為ではなく、本当に女性が喜ぶ性行為を追及したハウツー本です。
ぱらぱらと立ち読みして、面白そうなので買うことに。そしてこれは男に読ませるべき本だと思い、自分がちゃんと読む前に彼氏に見せて「これ読んで」と指示を出しました。
ところが、彼氏は著者のプロフィールと、目次をざっと見て、「…いいわ。なんか、うさんくさい」と言ったのです。
そこでピキっとなった私。反射的に、「え、うさんくさいってどういうことよ!?ちゃんと読みもしないで」とケンカ腰で言い返しました。自分だってちゃんと読んでなかったのですが。
「なんか、女性のためにとか言ってるけどこの人、ほんとは女性をバカにしているような感じがする」と彼氏。
いよいよ腹が立った私は、「あんたにアダム徳永の何が分かるって言うんよ!」と、アダム徳永をかばって猛然と抗議を始めました。
しかし、そもそも自分もちゃんと読んでいない上に、たまたま手に取っただけの本で初めて知ったので、別にアダム徳永ファンでも何でもない。なので、論理的な反論などできるはずもなく、ひたすら感情的に「アダムを悪く言うな!」みたいな感じでキレました。
お前はアダムの何なんだ、とあの時の自分に言ってやりたい。アダム徳永の親友でも親戚でもないのに、ただのなりゆきで後にひけず、怒りに任せてアダム徳永を弁護していたのです。
あーだこーだ言い合っているうちに、なぜか喧嘩は泥沼化してしまい、爆発した私はイスを投げました。投げたといっても、ローラーのついたイスをおもっきり突き飛ばしただけなのですが(それでも十分やばい)、イスは壁にぶつかって派手な音を立てました。
アダム徳永も、自分を弁護するあまりイスを投げる女子大生が日本に存在するなんて、想像もしなかったことと思います。
後にひけなくて②…おそ松くんであわや破局の危機
もうひとつ、なりゆきで後にひけなくなってくだらない大喧嘩をした大学時代のエピソードを。
大学1年生のときの彼氏と、彼氏の部屋でいちゃいちゃして、他愛ないおしゃべりをしていたときのことでした。
彼氏が、友人である「ときまつ君」の話をしていました。私は初めて聞く名前だったので、漢字も分かりませんでしたが、なんだか「おそ松くん」の兄弟のうちの一人みたいな名前だなあ、と思いました。
「おそ松くん」を知らない若い方のために一応説明しておきますと、著者が子供のころにやっていた、そっくりな六つ子の兄弟を描いたギャグアニメです。
そこで、何も考えずに「ときまつ君?おそ松くんの兄弟の何番目かなあ」とつぶやいた私。ほんとに、しょーもないただの思いつきの独り言です。ギャグですらありません。当然、鼻で笑ってスルーされると思っていました。というか、スルーしてほしかった。
ところが彼氏は、「え?今なんて言った?聞こえなかった」と真剣な顔で返してきました。私は声が通らない上に、はっきりと発音するほどのセリフではないためボソボソとつぶやいたので、ちゃんと聞き取れなかったようです。
「いや、なんでもないよ」。突如、自分のくだらない発言が恥ずかしくなって、私はそう言ってごまかそうとしました。そこで彼氏が「ふうん」とか何とか言って次の話題に移り、私のつぶやきは闇に葬り去られ、何事もなく終わるはずでした。
ところがそこで彼氏は、「何て言ったの?もっかいちゃんと言ってよ」と、スルーすることなくつっこんできたのです。どうして今回に限ってこんなにしつこいんだ!窮地に追い込まれた私は、「何でもないって言ってるやん」とだんだん苛々してきました。
「何でもないってどういうことよ。何か言ったでしょ。自分の言ったこと覚えてないなんてことないやろ」。なぜか引き下がらない彼氏。こうなったら、こっちも後にひけない。意地でも言いたくありません。
「もっかい言うほどたいしたことじゃないから何でもないって言ってるねん」「たいしたことじゃなくても言ってよ」「はあ?もういいって。しつこいねん」
お互いに意地になって一歩もゆずらず、どんどん険悪になってくる二人。言い合いはエスカレートしていき、とうとう彼氏が「もっかい言ってくれないなら別れる」とまで言い出しました。
「いいよ、別れようよ」と、こっちも売り言葉に買い言葉。猛烈に腹が立っていました。しつこい彼氏にも、「おそ松くん」のことなんかで別れ話になっているこんな状況にも。
「じゃあ別れよう」。立ち上がり、部屋を出て行こうとする彼氏。ふん、どうせハッタリでしょ?と思って何も言わない私。それを察したのか、部屋を出る前に彼氏は振り返って、「本当に別れるからな」と言い捨てて行きました。
翌日、本当に別れちゃったらどうしよう…と急激に不安になり、友達を呼び出して泣きながら相談しました。友達はしらけた目で話をきいていました。そりゃそうだ。別れ話の原因がおそ松くんなんて、くだらないにもほどがあります。
結局、一日経過すると彼氏も私も冷静になり、いやーあの時の私たちどうしちゃってたんだろうねーみたいな感じで仲直りし、別れは回避されました。
食券を投げつける女子高生!お昼ごはんを巡る高校生の喧嘩
高校生のころのバカな喧嘩エピソードを語ってくれる人も何人かいました。そしてそこには、「お昼ごはん」という重要な共通キーワードがあったのです。
食堂で投げつけられた、カツカレーの食券
Kさんは、高校生の頃のこんな経験を語ってくれました。
当時付き合っていた彼氏と、食堂で待ち合わせて一緒にお昼を食べる約束をしてたKさん。食堂に行ってみると、着くのが早すぎたのか彼氏の姿はまだありませんでした。
そこで、混んでくる前にと思い、先にカツカレーの食券を購入したKさんは、自分の手際のよさに満足しながら彼氏を待っていました。
しばらくして、どやどやと他の学生が流れこんできて、食券を買う列に長い列ができました。その中には、友人と三人連れ立った彼氏の姿があったのです。「あれ、なんで友達と?私と二人でお昼を食べる約束だったのに」いぶかしく思ったKさんは、彼氏に近づいていきました。
「ねえ、今日お昼一緒に食べようって言ったよね?」Kさんが話しかけると、彼氏は「あれ?そうだっけ。ごめん、友達と食べようってことになっちゃった」と言いました。
私との約束を忘れていた!?そのことが信じられず、頭に血が上ったKさん。「私と食べるって言ったのに!!」怒りにかられて、カツカレーの食券を彼氏に投げつけるという暴挙に出たのです。プラスチックでできた食券が、彼氏にぺちっと当たりました。
それだけではまだ飽き足らず、Kさんは彼氏の足を踏みました。そして、反撃される前に、走って逃げたのです。
別に、彼氏の友達も一緒に食べればよかったんじゃないの?と思うのですが…。そんなふうに大人な態度(?)が取れないのが、高校生なのでしょうか。
黒板を殴りつける音に、クラスが静まり返る
もう一人、高校生のころのお昼ごはんのエピソードを語ってくれたのはAさんです。
違うクラスの彼氏と、お弁当を一緒に食べる約束をしていたAさん。ところが、当日すっかり忘れていて、友達と机をくっつけてお弁当を広げていました。
そこに、お弁当とカバンを持った彼氏が教室に入ってきました。お弁当を食べ始めているAさんを見て、ショックを受けた顔で固まった彼氏。
「…今日は俺とお弁当食べるって言ってたよね」。低い声で問いかける彼氏の、その怒りにみちたまなざしにAさんはびびりました。「ご、ごめん!忘れてた。もう食べはじめちゃったから、明日にしない?」
彼氏はキレました。「ふざけんなよ」とAさんの胸ぐらをつかみ、「やめなよ!」という周りの友達の声に手を離すと、教室を出て行きました。
教室を出て行く前に彼氏は、力まかせに黒板を殴りました。大きな音が鳴り響き、チョークの粉が舞い上がり、黒板消しが床に落ちました。談笑する声に満ちていた教室がその瞬間静まり返り、みんなが息を呑んで黒板を見つめました。
お弁当を一緒に食べる約束を忘れていた。それだけでここまでキレることができるなんてある意味すごいです。Aさんの友達も一緒に食べればいいじゃん…とここでも思いますが、高校生はそうもいかない事情があるのでしょうか。
お昼ごはんをめぐる高校生カップルのバトルは、くだらなくも壮絶です。
離婚や死を招く!?食べ物をめぐる喧嘩の数々
お昼ごはんをめぐるバトルの次は、食べ物が原因のくだらない喧嘩を取り上げてみましょう。
チーズケーキで離婚しかける
Mさんは、人気パティスリーのチーズケーキをお取り寄せしたときのエピソードを語ってくれました。
ホールで買ったチーズケーキを、夫と二人で半分食べ、もう半分は次の日に食べるつもりで冷蔵庫に入れておきました。ケーキはとても美味しかったのですが、胃腸が弱い夫は、ちょっと食べ過ぎたのか、その夜におなかを壊してしまいました。
次の日の午後。夫が会社に行っているあいだ、Mさんはおやつに半分残しておいたホールケーキの2分の1を食べました。やっぱり、お取り寄せで人気のチーズケーキだけあって口当たりもなめらかで、濃厚でおいしい。Mさんはご満悦でした。
そして、もっと食べたくなったのです。4分の1残ったケーキが中に入った冷蔵庫の前にしゃがみこみ、考え込みます。夫はおなかを壊したから、たぶんもう食べないだろう。私が食べてもいいんじゃないか?欲望に負けて、そんな結論に達したMさんはケーキを全部食べてしまいました。
ところがその夜、台所から夫の悲鳴がきこえたのです。「チーズケーキがない!!」。ぎくりとしたMさん。夫は台所からMさんのもとへ直行し、「チーズケーキをどうした」と問い詰めました。
「えっと…おなか壊してたから食べないかな、と思って」「まさか、全部食べちゃったの?!」「…うん」しどろもどろに答えるMさんに、夫は怒り出しました。「なんでそんなことするの?!信じられない!」
夫の剣幕と、まるで汚いものを見るかのように自分を見た目つきに、Mさんは逆ギレしました。「食べたよ!でもそんなことでそんなに怒らなくていいじゃない!」
二人のあいだはすっかり険悪になり、そのあと一言もお互いに口をききませんでした。Mさんは、夜じゅう悩んで眠れませんでした。
チーズケーキのことなんかで、愛する妻を怒鳴りつけるような器の小さい男だとは思わなかった。あんな人とこの先の長い人生を、共にやっていけるのだろうか。もしこの先、チーズケーキより大きな出来事があった時にあの人はどんな反応をするのか。
考え込むほどマイナス思考になり、もしかして別れたほうがいいかもしれない、とまで思いつめたMさん。
二人の間は翌日もぎくしゃくしたままでしたが、そのうちに自然に元通りになっていました。チーズケーキで離婚しなくて本当によかったと、Mさんは今では思っています。
落雁の取り合いで熟年の大喧嘩
近所のおじいちゃんから聞いたエピソードです。
おじいちゃんの親戚のKさんの話です。Kさんは、40年連れ添った妻がいました。ところがあるお盆の日、大喧嘩をしたそうです。
原因は、落雁。よく仏壇なんかにお供えしてある、砂糖を固めて花などをかたどったお菓子ですね。Kさん夫婦は、ふたりとも落雁が大好きでした。買って来た落雁の残りひとつをどちらが食べるかで、殴り合い寸前の大喧嘩になったそうです。
「Kさんはその次の年に、風呂場で脳卒中になって死んでもたんや。たぶん、落雁のことなんかで奥さんと喧嘩したバチが当たったんやと思う」と、その近所のおじいちゃんは言いました。
いや、それは違うだろう…。なんだか、笑っていいのか真面目な顔をしたらいいのか、非常にリアクションに困りました。
「あなたの頭の中には焼肉しかない…」
筆者の両親の話です。食べ物に限らず、いまだにしょっちゅう下らないことで喧嘩をしている両親ですが、先日もこんなことがありました。
両親が、友人を交えて焼肉へ行ったときのこと。お腹がへって気がはやっていた父は、車をおりるやいなや早足で店の中へ入って行きました。母もあわてて後を追ったのですが、父は母の存在を忘れ、店のドアを、母が入る前に目の前で閉めてしまったらしいのです。
『もう30年も連れ添って、あなたのことは分かっていたつもりだけれど。あなたはいつも、目の前の妻のことなんか見えていない。私の目の前で、ぴしゃりと扉は閉ざされてしまった。あの時のあなたの頭の中には焼肉、そう、焼肉しかなかった…』
後日、母から父へ、やけに感傷的に責めるメールが送られてきました。なぜか、私と弟と妹、家族全員が宛先に入っていました。
母は父と喧嘩すると、小説のヒロインモードになった長文メールを父に送りつけ、ついでになぜか家族全員にも転送するという習性があるのです。「こんなメール、私に送られても…」と思いますが、時間に余裕があれば慰めの返信を出すようにしています。
くだらない喧嘩は愛の証、かも
いかがでしたか。本当にくだらないですね。だけど、そもそもカップルや夫婦のあいだの喧嘩というのは大部分がくだらないものかもしれません。政治や哲学をめぐって大喧嘩するカップルなんてそうそういないですからね。
くだらないことで喧嘩ができるのは、平和な証拠。理由がくだらなければくだらないほど、もしかしてしあわせなことなのかもしれません。
「この喧嘩、ネタになるな…」と、最中に冷静に考えることができれば、怒りもおさまって喧嘩が減るかもしれませんよ!この記事が、すこしでもそんな効果をもたらしますように。