「寂しい」「辛い」アラサー女が孤独を感じる3つのエピソード
未婚だから孤独?彼氏がいないから寂しい毎日?そんな考え方は馬鹿らしいと口では言うけれど、気がつけば人を羨んでいる自分がいる。
だけど同情なんてされたくない。だから楽しいフリをする。年齢を重ねれば重ねるほど、辛いことがあっても素直に弱音をはけなくなるアラサー女性は少なくありません。
彼女たちはいったいどんなことに傷つき、戦っているのでしょうか。少し心が痛くなる、そんなエピソードをご紹介します。
寂しさを人に見せない女
仕事のあとにデートする相手も、休日に泊りがけで旅行に行く相手もいない。もう何度、ひとりきりの夜を過ごしただろう。けれど「彼氏がいなくて寂しい」なんてセリフは死んでもはかない!
まずは、フリー生活を満喫する自分を演じている女性のお話をご覧ください。
隙間なく予定を入れるA子
A子のスケジュール帳は赤や青、緑で書き分けられた文字でビッシリ。平日には習いごと。金曜日はワインの試飲会。そして休日にはエステにネイルにヘアサロン。
A子の一週間には、予定がぎっしり詰め込まれている。
それが口癖のA子の周りには、彼女と同じように恋愛から遠ざかっている人間ばかりが集まる。
皆、口を揃えてそんなA子を素敵だと褒めるし「自分もそうありたい」と、まるで独身アラサーのカリスマかのように扱うのだ。
けれど最近その中からひとり、またひとりと消えていくメンバーもいた。ある者には恋人ができ、ある者は結婚が決まったのだという。
そして少しの後ろめたさからか、まるで示し合わせたかのように「仕事が忙しくて」「体調が優れなくて」などと明白な言い訳を残して去っていく。
リア充を演じても虚しいだけ
非公開のスケジュール帳。実はここ数年、空白ばかりだ。黒いペンで書き込むのは仕事のアポイント、そしてたまの帰省の予定だけ。本当に大事な用は数えるほどしかない。
これが本当の私の姿。いつからだろう「寂しい」と言えなくなって、充実した毎日を演じるようになったのは。ひとりでも楽しいんだと、周りを納得させるように予定を詰め込むようになったのは。
自分で入れた数々の予定に体は疲れているのに、心は空っぽのまま。本当に欲しいのは、二冊目を真っ黒にしてくれる相手なのに。
仕事の合間やお昼休みに、メッセージがきているかドキドキしながら確認したい。会社帰りに待ち合わせて、デリを買ってお家デートがしたい。私に似合う春物のスカートを一緒に選んでほしい。
けれど周りは私のことを「シングルライフを満喫している大人の女」として見ている。だから今さら後には引けないし、弱音もはけない。
自分でまいた種から出たツルに、がんじがらめにされてるなんて馬鹿みたい。こんな真似、もうやめたい。だけど私は演じ続けるしかないの。
孤独を自ら選ぶ女
結婚式への参加に出産祝い。あたり前に乗り込むはずだった人生の船に、まるで自分だけが乗れずに取り残されたような気分。焦りと戦う毎日に疲れた結果、出した答えは人との関わりを断つことだった。
続いては心を閉ざした女性の話をご覧ください。
周囲から疎遠になったB子
B子のスマホは夜、決まった時間に点滅する。ディスプレイは見なくてもわかる。彼女の母親からだ。ここ1ヶ月は、ほぼ毎晩これが続いていた。
けれどB子がスマホに触れることはない。まるで相手に聞こえてしまうのを恐れるように、忍び足で部屋を出てコンビニに向かう。
朝食用にパンを少し買い部屋に戻ると、不在着信のマークにほっと息をつく。そして恐る恐る録音メッセージを再生すると、母親の心配そうな声が響いた。
B子は溜息とともに録音メッセージを消去する。もちろん電話をし直したりはしない。
B子にはわかっていた。母親は心配などしていない。心配なのは、いつまでも嫁にいかない娘をもつ自分なのだ。
壊せないほど自分の殻が厚くなっていく
私がアラサーに突入したあたりから、明らかに周りが変化していった。仲の良かった友人は次々と結婚し、子どもを産んだ。気楽に話せる独身の友人が、一気に減った。
そんな話を親にすれば必ず「お前はいつなの」そう聞かれた。時には優しく、時には説教するように。それは母親だけでなく、祖母や叔父叔母まで口をだすようになっていった。
その愚痴を、久々に会った友人たちの前で話した時のことは忘れられない。ひとしきり私の話を聞いた皆は「結婚も親孝行だと思ってさ、早く安心させてあげなよ」そう言ったのだ。
それはなにか、彼氏すらいなくて結婚の気配もない私は今「親不孝者」で、結婚しない限りは心配をかける存在だということなのだろうか。
その日を堺に、友人たちとは会わなくなった。母親からの連絡も無視するようになった。それでもまだ心がヒリヒリするけど、自分の殻に閉じこもっている方が百倍マシだ。
でも時々、少し怖くなる。この殻を自分で壊すことができなくなっている気がして。
辛い気持ちをひた隠す女
「彼氏いない歴何年?」「結婚するなら若いうちだよ」何気ないけれど残酷な言葉たちは、平気で心に傷をつけていく。それでも泣いたり悔しがったりしない。それは敗北を意味するから。
最後にお送りするのは、笑顔の仮面をつけて生活する女性のお話です。
どんな時も笑顔でいるC子
人はC子を「明るくて優しく、おおらかな女性」そんな風に評価する。確かに彼女はよく笑い、誰からも好かれる。
ある時ひとりの年輩社員が、周囲の人間が凍りつくようなことをC子に言った。それは新人の歓迎会の席で、彼はだいぶ酔っているようだった。
やりとりを聞いていた何人かは固まり、こっそりとC子の表情を盗み見た。しかし彼女の顔はひきつることなく、笑顔のままだった。そして笑顔のまま話題を変えた。
またある時は街で声をかけてきた男に捨てゼリフを吐かれた。彼はC子の後ろからやってきて声をかけた。いわゆるナンパだった。しかしC子が振り向くと顔をしかめてこう言った。
運の悪いことに、その一部始終を待ち合わせていた後輩に見られていた。何も言えずに見ないふりをした後輩に、C子はそれでも明るく声をかけた。
心無い言葉に慣れる日なんて来ない
彼氏はいました。けど仕事も楽しかったし、結婚はもっと先でいいかなと呑気に構えていたらふられました。正確には、うんと年下の学生上がりみたいな女の子にとられたんです。その後すぐに結婚したと、風の噂で聞きました。
その頃からだんだん状況がおかしくなっていきました。大きな変化が現れたのはその数年後です。30歳目前で「おいおい大丈夫かぁ?」とニヤニヤされ、30歳を超えてからは気を遣われたのか何も言われなくなりました。
だけどアラサーも後半に差し掛かった今、誰もが無遠慮に無神経なことを言うようになりました。時には後輩たちまで。歳をとれば感情まで鈍くなるとでも思っているのでしょうか。
でも私がアラサーで恋人もいない独身なのは、変えようのない事実。相手の言うことに傷ついたら負けです。だから、ただただ受け入れるしかないんです。笑って。それが唯一の対抗策なんです。
でも、こんなピエロみたいなこと続けてたら・・・そのうち心が死ぬかもしれません。
アラサー女性のリアル
もしあなたが同じような経験で傷つくようなことがあったら、決して自分を追い込まずに周囲に助けを求めましょう。孤独な苦しみから解き放たれるには、やはり人の手が必要なのです。