キザと名言は紙一重?ドラマのようなセリフで恋を彩るテクニック
日本人は、愛の言葉を言わな過ぎです。これは非常に由々しき問題なんです。今これをお読みの皆様にも、「まあ、日本人だからねー」といった軽い感じではなく、ぜひとも私の提案をガツッと受け止めていただきたい。
確かに遥か昔から100年ほど前、夏目漱石さんが”LOVE”という外来語を日本人に訳して伝えてくれるまでは、この国には愛の概念すらなかったそうですし、せいぜい想うとか慕うという言葉を使って気持ちをそっと伝えるのが精一杯だったのかもしれません。
でも、自分の感情をストレートに伝えることがはしたないと言われる時代はとっくのとうに過ぎたのです。それもつい最近の話ではなく、おそらく私たちの祖父母が生きた時代辺りから徐々に、愛をもっと感じたい人が増えていたはずなんです。
歌舞伎、ビートルズ、ベルばら、月9…共通しているのは?
内に秘めたる想いを忍ばせて奥ゆかしく生きるのが日本人の美学なんて言いますけどね。それって、日本男児の、日本男児による、日本男児のための都合だったんじゃないかと勘ぐる私がいます。
その時代を生きていないので、あくまでも想像ですけど、どんな気持ちも言葉にした途端、すごくリアルになるじゃないですか。なによりも君が大事だ、とか、僕は君のために生きたい、なんて、おいそれと口にするわけにいかなかったんでしょう。
男性の価値と女性の価値に圧倒的な差があった時代です。”なによりも大事なのは女”なんて、当時の男性たちが認められなかったとしても無理はありません。そしてその時代の女性たちも、それは解かっていたんだと思います。
いや、解かろうとしていたんだと思うのです。でも、理解していたからといってそれで満足していたとは限らないというのも、また真なり、で。
観覧客の多くがシルバーの歌舞伎から、私たちの母親世代を歓喜に沸かせたビートルズ、社会現象を巻き起こした少女マンガ『ベルサイユのばら』、そして今、毎クール一番注目される月9ドラマ…、私たちの胸を掴んで離さないのは、いつだって”愛”ですよ。
どの世代も、誰かが誰かを真っ直ぐに、一途に想う気持ちが溢れ出るシーンに心を打たれて、本心を包み隠さず、飾らずに伝える言葉に涙して…。あんな風に愛したい、あんな風に愛されたいと願うのが、むしろ私たち女性の自然ではありませんか。
そして、時代を追うごとに命を賭けるような戦いが減ってきた男性社会。今や「家族が一番大事です」と公言しても情けないなんて罵られることは滅多にありませんし、逆に賞賛されたり、支持されることも増えてきました。
フェミニン化とか軟弱化なんて表現されがちですけど、そんな軽口を叩かれながらも、男性が愛に生きることを許される時代が幕を開けたのです。私たち女性が長きに亘って願い続けてきた時代が、ようやくやってきたんですよ!
愛の言霊を、二次元から三次元の世界へ…引っ張り出すコツ
「俺の気持ちは、俺の背中で解かれ。察せ」なんてもう古いのです。これまでずっと舞台や漫画やドラマに満たしてもらっていた部分を、今こそリアルな男性たちに満たしてもらいたいものです。
…でもそれ、どうやったら叶うんでしょう?今のあなたの恋を、今よりちょっとだけドラマティックにするコツを伝授いたします。
Step1.キザな台詞は寒い、笑われるという既成概念を覆すべし
現実世界でストレートな愛の言葉をあまり聞いてこなかった日本人は、照れくささや恥ずかしさからついつい、キザな台詞は”特別な人たちにだけ使用が許された言葉”として別枠に放り込んでしまいがち。
ネットでも「※ただしイケメンに限る」なんて注釈が流行りましたしね。茶化してならまだしも、真っ直ぐ相手の目を見て「愛してるよ」なんて、テレビの中のイケメンがやるから許されるんだ、とハナから思い込んでしまっている男性は多いです。
まずはその思い込みから正しましょう。俺がやってもサマにならない、どうせ笑われるだけだ、と思っている人はきっと能動的に動いてはくれませんから。
・友だちの恋愛相談などを引き合いに出して、「愛してるよ、とか、本当に大切だよ、ってちゃんと言葉にすればいいのにね。そしたら絶対悪い気しないもんね」と同意を求めてみる。
・(たとえ本当は違っても)「誕生日に真っ赤なバラの花束とか、想いを綴った手紙とかもらえたら幸せ」などドラマのようなシチュエーションを想像させる。
こういった言動を日々重ねていくと、最初は鼻で笑ったとしても、徐々に彼の中に「おや、こいつは本当にそういうのを望んでいるのかな?」という気持ちが芽生えます。
大事なのは、私は他でもなく、あなたからこういうことを言われたら幸せな気持ちになれるということが伝わること。ドラマの中だからいい、俳優だから格好いい、という言い回しにならないように注意しましょう。
Step2.彼が話題に乗ってきたらチャンス!具体例をどんどん出すべし
そしてもし彼が、「えー、こんなキザったらしいこと言われて嬉しいかあ?」とか、「俺、絶対無理、絶対笑っちゃう」など会話に乗ってきたら、最初の扉が開いた証拠です。否定的な意見でも全く問題ありません。チャンス到来です。
ここでは熱くなりすぎず、むしろちょっと淡泊な返しが効果的。「え?うん。嬉しいよ」や、「無理かあ、そっか。まあそういう人もいるよね」ぐらいに留めてみましょう。
これの狙いは、決して強要しているわけじゃないとわかってもらうこと。男性に限らず、”やらされている感”が苦手な人は多いので、「絶対そうすべき!」と熱弁を繰り広げてしまうと、「俺にはできない」と頑なになってしまう可能性も。
逆にちょっと肩透かしに感じるほどの返しだと、会話を尻すぼみにしないためにも、更にその話題を続けようと彼のほうから試みてくれるかもしれません。もしそうなったら、少しずつあなたのほうから具体例を出してみましょう。
「なにかが可愛いねって話になったときに、お前のほうが可愛いけどね、とかさ」
「なんでもないときでも、突然、好きだよ、って言ってくれたりしたらめっちゃ嬉しい」
「命に代えても守りたい、とか、オーバーなことでもあなたに言われたら幸せに響くよ」
キザな言動に慣れていない男性にいきなり、キザなことをしてほしい、と曖昧なリクエストをしても、パッとは思いつかないですし、思いついたとしても実行に移すのは躊躇するでしょうからね。
こんなシチュエーションのときはこんなセリフが嬉しい、という具体的な指定があると、彼のイメージも膨らみやすいです。
Step3.ちょっとでも兆しがあったらオーバーに喜ぶべし
ステップ1とステップ2を少しずつ繰り返していくうちに、もしかしたら彼の言動に変化が出てくるかもしれません。これまでは絶対に言わなかったような褒め言葉をポロッと口にしてみたり、あなたが好きなお菓子を唐突に買ってきてくれたり…。
あなたにとっても未経験のことだったりすると、びっくりもするでしょうし、照れるとも思います。けれど決して、茶化して終わらせないことが大切。ここでのあなたの反応が今後を大きく左右します。
思わず笑ってしまったり、「やだ、どうしたの?」なんてリアクションをとってしまった場合は必ずフォローしてください。「あんまり嬉しいからニヤニヤが止まらないじゃん!」、「すごくびっくりしたけど、それ以上に嬉しい!」と抱きつければ完璧です。
してもらいたいことはしてあげる…あなたからも愛の言葉を!
さあ、この記事の最大のポイントに辿り着きました。彼からドラマティックな台詞を言われたいと願っているあなた、あなたもちゃんとドラマティックな台詞を彼に言えていますか?
この質問の答えがNOではダメなんです。自分がしてもらいたいことは相手にもしてあげる、は幼稚園時代から教え込まれた人間関係の鉄則のはず。恋愛でもちゃんと実践してくださいね。
「自分で言うのは照れくさい…」、「自分のキャラじゃない…」、「さむいって思われたらヤダ…」…ノンノンノン、彼に破ってもらいたい殻の亀裂は、あなたのくちばしで入れるんですよ。お膳立てをするのは今も昔も女性の役目ですからね。
彼がもしキザな台詞を言ってくれたらあなたも最初は恥ずかしいのと同様に、彼だってあなたからのドラマティックなアプローチに最初は戸惑うでしょう。でも、あなたの愛情を真っ直ぐに、肌で感じることができて嬉しくないはずがないんです。
なんでもないときでも、「大好き」と言ってあげてください。彼の好きなものを覚えておいて、何気ないタイミングで贈ってあげてください。ムードが高まった瞬間には、ちょっと思い切った台詞も囁いてあげてください。
「やめろよー」なんて照れながらも、その言葉はきっと彼の心の奥深くに収まって、知らず知らずのうちに大切な恋の宝物のひとつになるのです。これからの長い交際の中で訪れるかもしれないピンチを乗り越える鍵にもなるかもしれません。
愛の言葉を平然と囁き合うカップルは、俗にバカップルなんて呼ばれたりもしますけど、それでお互いが幸せならバカップル万歳ですよ。バカだろうがなんだろうが、愛と笑顔で満ちる人生以上に幸せな人生はありませんからね。