女の幸せは結婚?価値観の異なる2人が見つけた幸せのカタチ
「男に頼りたくない女」と「男なしには生きられない女」恋愛や結婚への価値観が両極端なふたりの女性。
一見すると相容れない関係のようでいて、実はどちらも相手の幸せを願っています。それはお互いが、同じトラウマを抱えているから。
彼女たちは苦い思い出と決別できるのでしょうか?全く違った価値観をもつ女性ふたりが幸せを掴むまでを追いました。
どちらが幸せ?男性との共存と依存
「結婚に意味が見い出せない」A子と「結婚が幸せの完成形」のB子。女性の自立があたり前の今、結婚や恋愛の形も様々です。
男性とは対等につき合うべきなのか、守られるべきなのか?まずはふたりの言い分をご覧下さい。
「生涯独身を望む女は変なの?」A子の主張
それならなおさら独身のままでいいじゃないですか。男女が夫と妻になっていいことなんてないでしょ。子どもができて仕事を辞めた途端に女は下位になりますよ。
そもそも、他人とずっと一緒にいなきゃならないのが嫌です。だから彼氏ができても会う時間は最小限でいいし、お互いの自由を尊重したつき合いがしたい。
そんなわけで結婚はしたくない、だけど子どもは産みたいんです。もちろん子育てもしたい。そこ、私の中では別々のことなんです。
フランスみたいに未婚だけど子どもがいるカップルがあたり前な風習、日本にも浸透しないかなぁって思ってます。無理かなぁ。
「男に頼って何が悪い?」B子の主張
家はいつでもピカピカにお掃除。食事の用意はもちろん、しっかりお弁当も作って持たせてあげたい。お菓子とかもたくさん焼いて、お友だちとお茶会したり。夢は膨らみます。
仕事は結婚と同時に辞めますよ。社会の中で女性が長く働くのって、難しくないですか?それに男性だって、なんだかんだ奥さんには家にいてほしいでしょ?
それに男性はやっぱり、尽くしてくれる人がそばにいると頑張れるから。今までつき合ってきた彼氏もそうでした。なので、彼氏ができると生活の全ては彼中心になります。
そのほうが優しくしてもらえるし、男と張り合ってもいいことなんてないですもん。やっぱり女は男に守られるべきでしょ。
歪んだ価値観は過去がつくる
両極端な恋愛価値観をもつふたり。けれど昔からそうではなかったとしたら・・・?
彼女たちが今のスタイルに行き着いたのには深いわけがありそうです。その辛い過去を覗いてみました。
ふたりが抱えるトラウマ
それは五年前、まだ20代の前半だったふたりは同じ会社に勤めていました。部署は違えど同期のふたり、自然と仕事の悩みなどを相談しあう仲になっていました。
ところがあるとき、ふたりの価値観をガラリと変えてしまうような出来事が起こります。それは社員全員が参加する全体会議で、いつものように社長のメッセージを聞いていた時のことでした。
社長が発した言葉。それは明らかに、偏りのある問題発言でした。一瞬、静まり返る会議室。しかしその後起きたのは困ったような、けれど社長に同意するような苦笑の渦でした。
思うようにいかなくなった恋
この一件で、独身の女性社員はそれぞれが所属する部署で少しの息苦しさを感じるようになりました。ある部署で男たちは、アラフォー女性を堂々と「行き遅れたお局」そう呼びました。
一方で企画部に属していたB子も、やはり同じようにひと言ふた言の心無い言葉をかけられていました。しかしB子は「ほんと、早く辞めたいですよー」と笑顔でそれら全てを受け流しました。
しばらくしてA子は仕事を辞めました。新しい職場で、前にも増して意欲的に働きました。当時つき合っていた彼とは気持ちがどんどんすれ違っていき、大喧嘩の末に破局しました。
B子はそのまま会社に残りました。時々耳に入ってくる男たちの発言は相変わらずでしたが、いつしか慣れていきました。当時B子には婚約者がいましたが、共働きを望んだ彼にB子は別れを告げました。
「本当は素直になりたい」
見えてきたのは、違う形ながら「男性不信」に苦しむふたりの姿。過去の苦い体験はトラウマとなり、今も彼女たちを苦しめています。
果たしてふたりが幸せになれる日は来るのでしょうかか?新しい道を進み出した彼女たちを追いました。
A子とB子それぞれの前に現れた男
そんなA子にも、しばらくすると新しい彼氏ができました。その人はどの男性よりも穏やかで、優しくA子を包み込みました。
仕事に励むA子をいつでも気遣い、励ましました。けれど彼は結婚願望のある男性だったのです。「いつか結婚して家庭をつくろうよ」彼がそう言う度に、A子は迷いました。
そして同じ頃、B子の前にも男性が現れていました。けれどそれは一年前に別れを告げた、あの彼だったのです。お互い誰ともつき合わないまま、再会したのでした。
「共働きが嫌ならそれでもいいから」彼はそう言ってくれましたが、B子は不思議とその言葉を嬉しいと思えませんでした。
呪縛から解かれた瞬間
彼には本当に救われました。これまで仕事を辛いと思ったことはなかったけど、楽しいとも感じてなかったのがわかりました。
「負けてたまるか、私はひとりで生きていける」そんな単なる意地だったんです。彼が私のことを、押さえつけたり上から見たりしなかったので気付くことができました。
あぁ本当は、こんな風に心の支えになってくれる人を求めてたんだって。実は今、結婚に向けての準備を進めているところなんですよ。
もう一度やり直そうと言ってくれた彼には、返事を保留にしてもらってます。せっかく専業主婦になれるチャンスだったのにね。けど私、本当の自分に気付いちゃったんです。
男の人たちが言う酷いことに慣れた気がしてたけど、本当は上手くやろうと気持ちを押し殺してただけだったんだって。本当はまだまだやりたいことがあるって。
だから、これまでのノウハウを活かして起業することにしました!会社には大見得切って辞めてきました。皆ぽかーんとしてましたけど、颯爽と出てきてやりましたよ。
幸せのカタチ
「男女のあり方」そして「結婚にとらわれていた」ふたりのお話でした。
強がりの殻を破ったA子は結婚、男性依存の仮面を脱いだB子は経営者に。ふたりの女性が選んだ道が、今後も長く真っ直ぐに伸びていきますように。